不動産売却時の国民健康保険料

2020年04月14日

不動産の売却で大きな利益が出た場合、翌年の国民健康保険料が値上がりする可能性があると言われていますが、

それにはどのような理由があるのでしょうか。

この記事では、不動産を売却すると国民健康保険料が値上がりする理由を、計算方法とあわせて解説します。
 

 

不動産を売却すると国民健康保険料が値上がりする仕組み
 

会社では給料だけをもとに健康保険の負担額が決まるため、

不動産を売って収入が増えても保険料に影響はありません。


しかし国民健康保険は、前年度に得た個人のすべての収入を足した金額をもとに保険料が決まります。
所得税を計算するときには、不動産の売却の利益は、

ほかの事業者所得などと分けて課税される「分離課税」が採用されています。
 

しかし国民健康保険料は、すべての所得をまとめて計算することになっており、

不動産を売却した利益はその年の収入になるのが決まりです。

そのため、さほど利益が出なければよいのですが、

譲渡所得が発生してしまうと困ったことになります。
 

なぜならこの場合、国民健康保険料の計算のもととなる所得が増えて、

保険料が値上がりしてしまうからです。

 


不動産の売却によって国民健康保険料がいくらになるかの計算方法
 

では不動産を売却して所得が増えた場合に、

翌年の保険料はどれくらいになるのか簡単に計算方法をご紹介しましょう。

 

国民健康保険料は、

世帯の加入者全員が一律の保険料を負担する「平等割」と、

加入者の人数による「均等割」、

固定資産税による「資産割」、

そして前年の所得によって決まる「所得割」で構成されています。
 

このなかで不動産の売却による影響が出るのは、「所得割」です。
 

所得割は、世帯の加入者全員の所得から基礎控除の33万円を差し引いた金額に、

自治体ごとの税率を掛けて計算します。
 

たとえば所得割の税率が7.32%の都市だと、計算方法は次のようになります。
所得割=(総所得金額―33万円)×7.32%


仮に不動産の売却によって総所得が400万円から700万円に増えたとすると。


不動産の売却がない場合

(400万円―33万円)×7.32%=268,644円

 

不動産の売却で所得が増えた場合

(700万円―33万円)×7.32%=488,244円

 

となり、488,244円―268,644円=219,600円もの値上がりとなってしまいます。
 


まとめ
 

不動産の売却により譲渡所得が発生したときには、次の年の国民健康保険料が上がることがわかりました。譲渡所得の額によっては、思いがけない保険料となる可能性もありますので、どれくらい増えるのかをあらかじめ計算し、準備しておくのがよいでしょう。高崎市・前橋市エリアで不動産の売買を検討されている方、また売却査定についてお困りでしたら、私たち株式会社ボンズまでお気軽にご相談ください!

 

 

 

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